納得の不動産購入術

青田買いはあぶない?プロが教える住宅購入5つのポイント

木造住宅_建築中

新築建売住宅の青田買いや建築条件付き土地を購入する場合、建物が完成している物件とは違い、日当たりや建物の広さを目で見て確認できない為、 不動産購入を進めるにあたり不安を感じられる方が多いと思います。

住宅購入は人生の一大イベントです。
家族会議で「青田買いで大丈夫?完成するまで待った方がいいんじゃない?」など、ご両親様と会話をされた経験のある方も少なくないのではないでしょうか。

目で見て実物をしっかり確認できない為「求めているもの」と「実物」の比較を行うことが難しく、いざ建物が完成したら「思っていたものと違った・・・」というようなミスマッチを生み出すリスクがあります。

その反面、未完成の段階で適切な判断を行う準備を整えることができれば、
良質な不動産を先駆けて抑えられるチャンスを得られる可能性が高まります。


購入時の判断次第では、よくもわるくも選択肢の幅が広がる「青田買い」ですが、付き合い方を間違えなければ大きなメリットを享受できます。

まずは「青田買い」のメリットとデメリットについて整理してみましょう。

青田買いのメリット・デメリット


主なメリット・デメリットをそれぞれ3つご紹介します。

青田買いのメリット


1. ライバルに先駆けて良質な条件(価格、立地、間取り、区画)の物件を抑えることができる。

これが早い段階で意思決定を行うことの一番の利点になるのではないでしょうか。人気エリアの物件や割安感のある物件になればなるほど、供給数が極めて限られており、常に需要の方が上回っている為、ライバルがより多くなります。

2.建物完成まで待っている人と比べて選べる物件の幅が増える。

比較検討を行うことができる物件の絶対数が増える為、求めているニーズを満たすことができる確率が高まります。

3.タイミングにより間取りや設備仕様、諸条件の面で細かな調整ができる場合がある。

建売住宅を企画段階の早いタイミングで購入の意思決定を行うと、建物完成まで時間的なゆとりがある為、間取りや設備仕様の変更、境界塀などの外構工事で希望を叶えられる可能性があります。

建物が完成している場合、見てありのままの状態で購入の判断をしますので、何かを調整する自由度が限りなく低くなります。逆に購入時の判断材料を少なくできることで買手側の負担を減らせることが完成物件のメリットでもあります。

青田買いのデメリット


1.建物が未完成の為、間取りや日当たりなど目で見て実物を確認できない。

これが一番の懸念になるのではないでしょうか。
安心して購入する為の確認方法について後述いたします。


2.販売価格の値下げ交渉がほぼできない。

建物が完成する前後のタイミングが新築住宅の一番の売れ時の為、その時期に入る前に住宅メーカーが売り急ぐ必要性が基本的にはないという理由からです。


3.多数の分譲地の場合、他の区画が売れ残り値下がりがされる可能性がある。

感情面で待っておけばよかったと残念な気持ちになってしまいます。

郊外の駅から離れた分譲地などではよく見かける光景ではないでしょうか。
環七の内側、山手線の内側と、都心部に近づくにつれて物件の供給数が少なくなる為、売れ残りのリスクは少なくなります。


購入時期は建物完成前か、それとも完成して室内が見られるようになってからか。そのどちらか一方が必ず正解ということではありません。それぞれの道でよりよい選択を取る為の方法があります。

ひとつ確証を持って言えることは、良質な不動産を抑えられるオプションを持っている人の方が成功する住宅購入を実現できる可能性が高いということです。

それでは、未完成物件を購入する場合の5つのポイントをご紹介します。

未完成物件の購入5つのポイント

1.どのような建物が建てられるか。完成イメージの共有。


更地を眺めていきなり建物の間取りや広さをイメージを出来る人はいません。
いきなり土地を見に行く前に予備知識が必要になります。

気になる物件が見つかったもののまだ建物が完成していない場合には、まずは似たような間取りで完成している新築住宅を不動産会社の担当者にピックアップしてもらい、実際に目で見て確認してみてください。

参考物件の見学時の確認ポイントは、まずは建物に焦点をあてて確認を進めるという点になります。検討中の物件は、どのような構造(工法)で建築予定で、最大でどれくらいの建物面積が確保できる土地で、どのような設備仕様の建物が計画されているのか。見学中の物件との違いも確認してみましょう。

理想としては、同じ工務店が施工している建築現場も確認してみてください。現場がきちんと整理整頓されているか、どのような大工さんが現場で作業をされているのか。実際に目で見て確かめてみてください。


建築条件付き土地の場合は、建物金額に何が含まれていて何が含まれていないのか明確に確認をする必要があります。東京都内の場合では、地盤改良工事、ライフライン設備負担金が建物金額とは別に費用が発生する企画が多いです。※目安は2つ合わせて100万円前後になることが多いです。

間取りが変更できる場合には、どの程度の柔軟性をもって変更が可能であるのか確認しましょう。物件の中には建売住宅販売前の建築条件付き土地という趣旨で間取りの変更ができない物件もあります。


具体的な商談に進む前に建築会社のショールームやモデルルームで企画担当者・設計士から説明を聞く機会があります。※不動産会社は建物プレゼンテーションという呼び方をします。

モデルルームでは、建物の基本コンセプトや設置される設備仕様、建物の工期や保険、アフターサービスなどの説明がされます。

標準の設備仕様を確認したところで、求める希望が反映できるか、出来る場合には追加費用が発生するのか面と向かって確認をしてみましょう。

建売住宅の場合は工期が決まっており、職人さんの手配が済んでいる為、追加オプションや工事変更の自由度が低いです。その反面、諸条件がきっちり整備されています。

建築条件付き土地の場合は、土地購入後に建物の建築がスタートします。その為、工期にもゆとりがあり希望が反映されやすいです。自由度が高い反面、タイミングによっては諸条件で未確定要素があることもあり、しっかりとした確認作業が必要になります。

2.地域に応じた建築規制の確認


1つ目ポイント、完成イメージの確認に通づる内容になります。
都内の街を歩いていると屋根が斜めに削られて似たようなデザインの住宅を見かける事が多いと思います。

これは分譲会社の好みでデザインをしているという訳ではありません。
建築規制に基づいたルールの範囲で設計士が創始工夫の上プランニングした結果、同じような形の外観をした住宅が必然的にできあがります。

つまり、建物のプランニングの前提となる建築基準法の一部が理解できれば、更地の土地上に建てられる建物の外枠のイメージも漠然と湧いてくるようになります。

一戸建て住宅の場合【建ぺい率・容積率・高度地区】この3つルールを抑えておけば、土地上に建築ができる建物のざっくりとしたイメージができるようになります。過去のブログで簡単にご紹介しておりますのでご参照ください。

また、都市計画で定められている【用途地域】を確認すると、おおよその街並みをイメージできるようになります。

例えば、検討中の物件が2階建てが建ち並ぶ低層の住宅街なのか、それとも3階建てのエリアになるのかなど、ざっくり把握することができます。

Googleで「~区 用途地域」と検索すると各市区町村のHP上で用途地域が色分けされた地図を簡単に確認できますので、試しに目を通してみてください。

普段何気なく歩いてる街がどのような意図でつくられているのか。その根拠を確かめることができます。


見落としがちなポイントとしては、都市計画道路や地区計画による建築規制です。

例えば、文京区本駒込の不忍通り沿い。商業地且つ大通りの為、ビルが建てられそうな立地条件ですが、都市計画道路の計画区域に該当しており、非堅固建物仕様(木造など)で3階建てまでしか建築できないという落とし穴があります。

弊社に相場相談をしてくるプロの建売会社さんでもたまに見落としている方がいらっしゃいます。


将来、隣接地に高層ビルが建築される懸念などは、法規制を理解することでその可能性の有無を購入前に確認することができます。

検討中の物件付近に存在している高層ビルによる日照の時間帯別の影響については、ずっとその場で目視し続けることができない為、確認方法に工夫が必要です。

最近ではGoogleEarthで建物を3D表示にして時間帯別の日照確認ができますのでそちらのサービスを利用するとざっくりとしたイメージが掴めると思います。


【ポイント1~2 】の確認を徹底すると高い精度の完成イメージを掴むことができます。

建物完成前のワクワクドキドキ理想に満ちた期待と、完成後の実物とのイメージの誤差を減らすことで「しまった・・・ 」という失敗を未然に防ぐ、成功する不動産購入が実現できる可能性が高まります。


3.土地の境界が明示されているか


区分マンションの一室とは異なり、戸建ての場合は建物外壁で境界が区切られているわけではありません。土地それぞれが唯一無二の特徴をもって形が切り分けられています。その為、土地の境界が明確であるという点が極めて大切な確認ポイントになります。

土地の境界が曖昧な場合、将来的に土地面積が増減する可能性があり、建物面積は余裕をもったプランニングをせざるえません。また、隣接地と将来的に話し合いが必要になる可能性が高く、心理的な負担にもなり得ます。


トラブルのリスクを未然に防ぐため、境界ポイント(杭や鋲など)がきちんと明示されており、お隣さんと境界確認の合意書が取れていることが極めて大切なポイントになります。

境界確認書が取れていない場合は、同等の書類が存在するか確認をすること。そして境界確認書が取れない理由にトラブル性はないか、という点の確認が必須になります。


建築条件付き土地の場合、購入のタイミングによっては諸条件がまだ整備されていないこともあります。

まさに測量中の段階で売買契約を行う場合には「測量した面積が隣地と合意できなかった場合、白紙解約にする」という趣旨を重要事項説明書に必ず明文化しましょう。

4.従前はどのような建物が建っていたか


更地の場合、土地の上はハッキリ見えても地中は掘らないと見えません。
以前どのような建物が建っていたかを確認することで、土壌汚染や地中埋設物が存在する可能性のニュアンスを探ることができます。

図書館に保管されている古地図やゼンリン(地図)で建物名称を確認してみましょう。それでもわからない場合は、法務局で滅失された建物謄本を取得するのもひとつの方法になります。

建物の解体が直近で行われている場合は【Google Street View】で、過去の写真を遡ると撮影がされている場合があります。


また、古くはその土地がどのような方法で利用されていたか確認する手段として航空写真が役に立ちます。

国交省が運営している国土地理院では、昭和初期から現在にかけての航空写真を確認することができます。※GOO地図からも簡単に確認できます。


【ポイント3~4 】は土地に隠された瑕疵の可能性を事前に確認する大事なポイントになります。瑕疵のある物件を購入してしまうと問題解決にあたっての労力と費用、精神的にも大きな負担が生じる為、必ず回避したいところです。

建売会社の分譲地の場合は、プロの業者が買取る際にリスクの度合いを判断し、販売前に問題を解決している為、瑕疵物件にあたるリスクは極めて低いです。
※セミプロやブローカーのような業者が売主の場合は念押しの確認が必須です。

しかし、個人間売買(売主買主が共に一般個人)の場合は、そもそも売主さんが物件の問題を把握せずに売却活動をしているケースがありますので、細心の注意が必要です。

5.不動産購入をサポートするパートナーは適切か


ここが正解なら【ポイント1~4】について、パートナーが物件の特徴やトラブル性の有無を先回りで確認をしている可能性が高いです。結果的に買手側は最低限の確認と労力で成功する不動産購入を実現できる確率がグッと高まります。


不動産営業に関わらず営業マンや販売員がおすすめ商品を積極的に紹介した結果、顧客が他の選択肢を並行して検討していた際に、全体としてどのプランが適切なのか、選ぶ側の視点を踏まえた客観性が失われていることが多々あります。

パートナーとして選ばれるべき営業パーソンは、顧客の視点から見たときの物件のメリットやデメリットなどの客観的な情報を適切なタイミングで顧客に合った伝え方ができる資質を備えた人物であるべきです。

他にもパートナーに求められることは多岐に亘るかと思います。
例えば、迅速な報連相。希望を汲んだ柔軟性のある提案する力や出来ること・出来ないできないことを分かりやすく伝える姿勢、問題を解決する能力、物件を抑える力などなど。


そして、一括りに不動産といっても様々な分野があります。
取引態様が賃貸か売買か。物件種別が戸建てかマンションか。用途は居住用か投資用かなど。業界の中でも市場ごとに得意分野の棲み分けがされています。

自分たちが希望する分野を得意とした不動産エージェントにきちんと依頼ができれば、手続きをスムーズにそして楽しく不動産と付き合うことができるのではないでしょうか。

成功する未完成物件購入の見極め


本ブログで紹介されている5つのポイントをしっかりおさえると、安心安全な不動産購入が実現できると思います。

しかし、果たして未完成の段階で抑えるべき物件なのかどうか。そもそもの見極めを誤ると先駆けて動くという選択の優位性が失われてしまいます。


例えば、同条件で在庫物件が100ある中で先駆けて101を選んでも、その見極めが正解だったかどうかは非常に微妙なお話であると言わざるえません。

早い段階で抑えるべき物件の線引きとしては、次の2点をクリアしているべきであると考えます。

①供給数が少なく希少価値が高いエリアの物件

②実態の価値(建物完成後)より販売価格などの現在価値が割安に見積もられている物件

①は、少し調べれば誰が見ても理解できる内容ですが、②については、不動産を取り扱うプロでも見誤ることがありますので準備に余念がない方にはチャンスを得られる可能性があると言えます。


不動産の流通が少なく希少性が高い東京23区の人気エリアや都心部の物件は、いかに更地(場合によっては古家あり)の状態で建物完成後のイメージをクリアにして、早い段階で意思決定ができるか。それが良質な不動産を購入する為に極めて重要なポイントになります。

将来にわたり資産価値落ちにくい良質な不動産は、生活をより豊かにし、安定した暮らしを実現する為の大きなツールになります。


とはいっても、不動産のニーズは十人十色です。
それぞれ家族がおかれた状況の中で資産性と居住性のバランスをどの地点で納得するかはファミリー1世帯、皆様一様ではありません。

不動産価格が落ちにくい若しくは価格上昇の可能性もあるような不動産を購入することが必ず正解かというと、個人的にはそうではないと考えます。


居住用の不動産の場合は、家族が住む場所になります。
いわば幸せを育む生活の拠点です。

資産性が高い住宅であっても、その場所で幸せな暮らしを実現することができなければ、折角の不動産購入も無に帰してしまうのではないでしょうか。

個人的に居住用の不動産購入の場合には家族の幸せが一番だと考えています。
その大前提の中で、より資産性の高い良質な不動産を選ぶことができれば、よりハッピーな人生設計ができるのではないでしょうか。

最後に.


余談にはなりますが、サッカー移籍市場では中島翔哉選手に始まって、欧州クラブによる若手選手の青田買いが話題になりました。

オリンピックで注目されて近い将来、価値が高まるであろう東京五輪世代の選手を割安な移籍金で獲得したクラブは、試合の勝利だけではなく、ビジネスとしても成功する可能性が高いと思います。

不動産も同じように現在の期待値に対して、将来の価値が見合っている、もしくは期待値以上かどうか。すばやく見極めをできる人が良質な不動産をいち早く抑えていきます。

住宅をお探しの方が良質な不動産を見極める「目」を養い、成功する不動産購入ができるよう心より願っております。

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実際に物件を見に行ってみたものの、「何となくいいね」でいつも終わってしまう、「物件の良し悪し」がいまいち分からない、「検討中の物件に気付いていないマイナス要素はあるのかな?」など、慣れない不動産探しには疑問や不安がつきもの。


資金計画においても、「今の家賃と同じ支払なら取りあえず大丈夫かな・・・」「主人だけの収入で支払は問題ないのかしら?」「固定金利と変動金利ってどっちがよいの?」など、疑問が数多くあるのではないでしょうか。数千万円という大きなお買い物での"失敗"は誰しもが避けたい道です。


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