桜咲き誇る神田川と肥後細川庭園をはじめ、目白運動公園や椿山荘など、
色彩豊かな緑と共に暮せる街、豊島区高田エリア。
自然の地形を感じられる坂道と歴史を刻むお寺が連なり、
日本らしい雰囲気を味わえる、そんな街並みの場所です。
豊島区の南部に位置し北東側は雑司が谷地域、北西側は目白地域、
東側は文京区目白台、南側は新宿区西早稲田と3つの区境となっています。
隣接している目白台は元内閣総理大臣の田中角栄氏の邸宅である目白御殿や、
古くは細川男爵が所有した庭園などがあり由緒正しき地と言えるのではないでしょうか。
高田エリアは大正時代に工場地として栄えたようですが、
現在、その用地の大半はマンションに転用され住宅地となっています。
建物は主に3階建て以上の住宅が立ち並ぶ街区です。
大地主さんが大きい街区を所有しており。
借地権の不動産の数が多いのも特徴の一つです。
そんな豊島区高田エリアでは、早稲田方面から池袋方面へ向かう道筋で、
新たな道路計画が着々と進んでおります。
都市計画道路の完成やデベロッパーによる街区再開発は、
不動産市場に極めて大きな影響を及ぼします。
本ブログでは、都市計画道路の概要をざっくりまとめ、
不動産市場にどのような影響を与えていくか考察します。
まずは開発計画の概要をご紹介します。
都市計画道路-環状4号線-
環状第4号線は、港区高輪3丁目を起点とし、江東区新砂3丁目を終点とする、
延長28.8mの都市計画道路です。
本ブログでは、新宿区早稲田3丁目から豊島区高田1丁目を通過し、
文京区目白台2丁目に至る延長775mの箇所に重点を置いてご紹介します。
環状4号線-豊島区高田の位置関係-
都市計画道路がかかるおおよその区域をGoogleマップで色分けしました。
緑色の枠が都市計画道路-環状4号線のおおよその範囲を表しております。
※オレンジ枠の詳細な内容については後述します。
幅員は22mを予定しており、不忍通りとの交差部は幅員35mと計画されております。
本都市計画道路(幅員22m)の早稲田側は既に完成しています。
平坦な早稲田側とは異なり、高田~目白台側は急激な坂道があります。
そのため、坂道の箇所は地下トンネルにする計画のようです。
第六建設事務所の2017年の発表では用地取得率が98%を越えておりますが、
現状の工事着手状況を鑑みると、完成までは少なくともあと数年はかかりそうです。
都市計画道路が開通すると建築規制の緩和が行われて、
建て替えや不動産投資が活発になり街並みや利便性が向上するという側面があります。
現段階では豊島区高田1丁目に地区計画が施行されています。
豊島区高田1丁目-環状4号線周辺地区地区計画-
オレンジの枠は、豊島区高田の環状4号線周辺地区地区計画のおおよその範囲を表しています。
ざっくり地区計画とは、都市計画道路とセットになっているような条例で、
道路を広げた後に行政が目指す街づくりのガイドラインと捉えておくとシンプルです。
建物の新築や土地の分譲を行う際に、その用途や形状などに影響を与えます。
戸建て市場に影響を与える代表的な例を1つ挙げると、
新たに土地を分譲する際の敷地最低面積が65平米以上というルールがあります。
その条例が施行されているエリアでは、
土地の最低面積が65平米となることで、新たに不動産を分譲する際、
土地建物を合わせた総額の価格が施行前より上昇し、
且つ、お手頃な価格帯の3階戸建て住宅の供給が少なくなるという側面があります。
地区計画の詳細については、豊島区ホームページをご参照ください。
※下記画像をクリックするとリンク先の豊島区ホームページが表示されます。
ざっくりまとめ
本計画は道路なき街区に新たに広い道路の開発がされることから、
拡幅後は新しいビル用地が生まれ、街の新陳代謝が加速度的に早くなることが考えられます。
交通網の観点でいうと、明治通り(環状5号線)の一本内側の沿線が開通することで、
池袋東口あたりの交通渋滞が緩和されるイメージでしょうか。
南池袋~雑司が谷の辺りでも新たな道路計画があるため、
将来的に池袋周辺は車での交通の便も大幅に向上していることが想定されます。
本都市計画道路1本で街の変貌させるほどの大きな影響力はないかもしれませんが、
池袋周辺に計画されている街区再開発や道路計画に相乗効果をもたらす開発になると考えます。
そんな、環状第4号線の完成が待ち遠しいです。