Tokyo街づくりコラム

【建築基準法改定】準耐火建築物の建ぺい率が10%緩和!?

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国会議事堂

自宅の建て替えを検討してみたら、セットバックで土地が小さくなる見込みで、

今の自宅よりも小さい床面積でしか建てられない・・・。

 

底堅い地価を保っている都心部の不動産市場では、

限られた土地面積の中でどのような間取りがプランニングできるかが、

不動産価格を大きく左右させます。

 

どれくらいの床面積の建物をどの程度の高さで土地上に建てられるのか?

建ぺい率や容積率、高度地区など、建築基準法によって定められています。

 

そんな、不動産価格に大きく影響を与える【建築基準法】の一部が、

平成30年から平成31年にかけて段階的に改正されることになりました。

 

実はその条項の中で【今の自宅よりも大きい建物】が建てられる、

戸建て市場にピンポイントで影響を与える改正があります。

 

改正の全体像から戸建て市場に影響を与える条項まで順を追ってご紹介します。

「建築基準法の一部を改正する法律案」の概要

「建築基準法の一部を改正する法律案」の概要出典:国土交通省発表資料

閣議決定 平成30年3月6日
公        布 平成30年6月27日
施  行  ① 平成30年9月25日
施  行  ② 平成31年6月末日(見込み)

 

9月25日付で法案の一部が施行されました。

1.木造建築物等である特殊建築物の外壁等に関する規制の廃止

2.接道規制の適用除外に係る手続の合理化

3.接道規制を条例で付加できる建築物の対象の拡大

4.老人ホーム等に係る容積率規制の合理化

5.日影規制の適用除外に係る手続の合理化

6.仮設興行場等の仮設建築物の設置期間の特例

7.宅配ボックス設置部分に係る容積率規制の合理化

※法律の詳細な解説については国土交通省ホームページをご参照ください。

 

それぞれ設計・企画レベルで鑑みると影響力のある内容になっていますが、

一般のご家庭にはあまり関係ないお話になるかもしれません。

 

皆様にもなじみ深い、実家の建て替えや不動産売却にインパクトを与えるであろう法案は、

次の段階で施行が予定されている法律の中にあります。

防火・準防火地域内で延焼防止性能の高い建物は建ぺい率を10%緩和

角地緩和と同じ建ぺい率10%の緩和措置になります。

建物新築時にどれくらいの影響があるのかシミュレーションしてみましょう。

 

例えば、土地面積50㎡の準防火地域内の宅地の場合。

 

延焼防止性能の高い準耐火建築物仕様で建物を新築すると、

1階ワンフロア当たり約3帖のスペースを生み出します。

 

容積率がしっかりと消化できる接道が確保された3階建ての場合、

1~3階の延床面積で約9帖のスペースを生み出します。

 

いまは15帖しか取れない2階のリビングが、

法改正後に建て替えると18帖まで広くなるということです。

 

民法で規定された境界線から50センチの距離を離したとしても、です。

 

もし、自宅を売却するとなった際に、

これまではリビングの最大面積が15帖サイズであったのが、

改正後はリビング18帖サイズの建物が建てられる土地として販売できます。

その分だけ、土地の価値があがりますね。

 

戸建てにお住いの方であれば身近に感じられるお話ではないでしょうか?

延焼防止性能の高い建物とは?

明確な定義はこれから議論がされて、正式に決められていくようです。

 

ただ、弊社設計士のヒアリングによると、

弊社で普段から取り扱いのある45分準耐火建築物は、

本改正案の適用内に入ってくる可能性が高いです。

 

定義としては、

45分間にわたり消火活動を行わずとも建物が崩壊せずに建ち続けている

性能を持った建築物という扱いになります。

 

でも実際のところ、どの程度の延焼防止性能があるのでしょうか?

過去に国が行った実証実験の結果をご紹介します。

木造3階建て共同住宅火災実験

木造3階建て共同住宅火災実験_旧建設省建築研究所_ページ1

木造3階建て共同住宅火災実験_旧建設省建築研究所_ページ2

出典:旧建設省建設研究所

 

上記、旧建設省の実験では室内火災時のシミュレーションがされておりました。

 

建物火災の実例としては、

3年ほど前に弊社が仲介した45分準耐火建築物(新築戸建て、木造3階建て)の

お隣さんが火事になったことがあります。※幸い人的被害はありませんでした。

 

お隣の建物は伝統的な木造家屋で築年数は50年は過ぎているであろう佇まいでした。

建物と境界との距離はお互いに50センチづつ位だったと記憶しています。

 

当時、Youtubeにアップされた映像を確認すると3階ほどの高さまで

勢いよく火が上がっておりました。火事は1時間位で鎮火されたようです。

 

肝心のお客様の建物は、明るい色をした外壁の一部(畳0.5帖程)に、

若干、薄黒っぽく焦げたような跡がありましたが、燃え移らず大事には至りませんでした。

火災保険を適用させ部分補修してそのままお住まいになられています。

 

準耐火建築物と伝統的な木造家屋の耐火性能の違いを肌で感じた出来事でした。

建築基準法改正後の戸建て市場の変化を予想

今よりも建物面積を大きく建てられるというインセンティブには、

極めて強い力があり、建て替えが促進されることが予想されます。

 

建て替えがされることで、一定の耐火性能を満たした良質な中古住宅のストックが増加し、

セットバックにより道路が広がることで長期的には災害に強い街が形成されると予想します。

 

実は今回の建築基準法の一部改正と相性がとても良い地域があります。

それは【木密地域不燃化 10 年プロジェクト】に指定されている下記の地域です。

木密地域不燃化 10 年プロジェクト 整備地域位置図

木密地域不燃化 10 年プロジェクト_整備地域位置図

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:東京都ホームページ

 

①大森中地域(大田区) ②西蒲田地域(大田区)
③羽田地域(大田区) ④林試の森周辺、荏原地域(品川、目黒、大田区)
⑤世田谷区役所周辺・三宿・太子堂地域(世田谷、渋谷区) ⑥北沢地域(世田谷、渋谷区)
⑦南台・渋谷本町・西新宿地域(新宿、渋谷、中野、杉並区) ⑧阿佐ヶ谷・高円寺周辺地域(杉並、中野区)
⑨大和町・野方地域(中野、杉並区) ⑩南長崎・長崎・落合地域(新宿、豊島区)
⑪東池袋・大塚地域(文京、豊島区) ⑫池袋西・池袋北・滝野川地域(豊島、北、板橋区)
⑬大谷口周辺地域(豊島、板橋、練馬区) ⑭千駄木・向丘・谷中地域(文京、台東、荒川)
⑮西ヶ原・巣鴨地域(豊島、北区) ⑯十条・赤羽西地域(北区)
⑰志茂地域(北区) ⑱荒川地域(台東、北、荒川区)
⑲浅草北部地域(台東区) ⑳千寿地域(足立区)
㉑西新井駅西口一体地域(足立区) ㉒足立地域(足立区)
㉓北砂地域(江東区) ㉔墨田区北部・亀戸地域(墨田、江東区)
㉕平井地域(江戸川区) ㉖立石・四ツ木・堀切地域(葛飾区)
㉗松島・新小岩駅周辺地域(葛飾、江戸川区) ㉘南小岩・東松本地域(江戸川区)

 

上記地域の内、より街づくりに積極的な地域では一定の条件を満たす場合、

建物の解体・新築時に助成が受けられます。

 

該当地域では都市計画道路の用地買収なども積極的に進められており、

近い将来には道路網も整備されていく見込みです。

木密地域不燃化 10 年プロジェクト_整備イメージ出典:東京都ホームページ

地区計画で敷地最低面積が規定

更に区の定める地区計画区域が重複している街区では、

敷地の最低面積が65平米に指定されています。

 

大きな土地を分割して宅地を分譲する際の最低の土地面積が65㎡になることで、

従来より土地と建物の総額の価格が大きくなります。

 

今現在の該当地域は木造住宅密集市街地で、

これまでは土地を40㎡サイズに細分化して分譲するようなミニ開発が主流であった為、

従来の見方で考えると相場が上がったように見えています。

 

 

同地域で建築基準法改正後に分譲される戸建て住宅は、

建ぺい率10%増加をフルに活用した2階建ての住宅が増えると予想します。

 

長期的な視野で捉えると、

今現在と比べて、利便性と住環境が両立した魅力ある街に生まれ変わる可能性が

極めて高い地域として位置付けられるのではないでしょうか。

 

今後、通の間で穴場の地域として人気がでてくるかもしれませんね。

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